この本堂の先に、啄木の苦悩があった。
1925(大正14)年に建立された釧路市弥生の本行寺本堂と旧納骨堂が、令和7年3月13日付で国の有形文化財(建造物)に登録されました。和と洋が融合した近代建築の傑作として、左官による精緻な意匠や札幌軟石を用いた耐湿・耐火構造が高く評価され、地域の歴史と文化を今に伝える貴重な建築です。
このたび、登録を記念して「本行寺本堂・旧納骨堂 国の有形文化財登録記念事業」を開催いたします。当日は、本堂を舞台に、「建築」・「芸能」・「文学」の3つの視点から、その価値と魅力を紹介いたします。
第一部では、神戸情報大学院大学教授・川島 智生 氏による記念講演「本行寺の文化財登録」を実施。本行寺の建築様式や、施工を担った新潟県間瀬大工の功績などを紐解きながら、当時の時代背景と近代建築としての意義を語ります。
続いて、釧路新潟県人会による奉納演舞「佐渡おけさ踊り(若柳吉澄奈社中)」を上演。建設に携わった職人たちの故郷・新潟との縁を感じさせる伝統舞踊が、本堂に華を添えます。
第二部では、星 光二 氏による詩劇「啄木アンソロジー in Kushiroの夜」を上演。石川啄木の詩・歌・日記・小説から17編を厳選し、朗読と音楽で構成。釧路での苦悩と再生をテーマに、文学と建築が共鳴する特別な舞台となります。
さらに、釧路啄木会 会長・北畠 立朴 氏による講演「啄木と本行寺」も行われ、啄木が本行寺で過ごした日々を、史実と記録をもとに振り返ります。
本行寺は、啄木ゆかりの地としても知られ、彼の文学的足跡と建築文化が交わる場です。今回の催しは、地域の文化遺産を未来へとつなぐ新たな一歩となるでしょう。
開催日:2025年11月23日(日)13:30開演(13:00開場)
会場:本行寺本堂(釧路市弥生2丁目11-22)
料金:入場無料・事前整理券が必要(先着150席)
お問い合わせ:事務局・中村(090-9524-9567)まで

