お問合せ SNS 年間行事

本行寺のあゆみ

聖徳太子堂・職能資料館

技と心を伝える、祈りと記憶の空間

本行寺境内にある「聖徳太子堂」は、木造建築の祖とされる聖徳太子をお祀りする堂宇です。太子は中国より伝わった建築技術を日本へ広めたとされ、古来より技能者の守護神として広く信仰されています。釧路では釧路聖徳太子講(田中安雄 講頭)と釧路職能組合が中心となり、毎年3月には「聖徳太子例大祭」が盛大に執り行われ、技能の継承と先人への感謝の心が今も生き続けています。

釧路聖徳太子講は道内でも最も古い歴史を持つ団体であり、毎月21日の例会を通じて、技能者の交流や後継者の育成、伝統技術の継承を目的とした活動を続けています。本行寺ではこうした伝統を大切に守りながら、技と心を未来へと伝える場として太子堂を開放しています。

また、隣接する職能資料館では、大工・左官・塗装・電気など11業種にわたる建築関連の伝統道具や資料を展示。なかでも注目すべきは、1987年に釧路大工組合創立80周年記念事業として制作された、法隆寺夢殿の7分の1スケール復元建造物です。この復元には3年の歳月がかけられ、新潟・間瀬の宮大工の技を受け継ぐ五十嵐一雄氏が指揮を執りました。

五十嵐氏は釧路の近代建築史に名を刻む伝統職人であり、彼自身が建てた旧五十嵐家住宅も国登録有形文化財として登録が予定されており、地域の建築文化における功績がいま再び注目されています。

聖徳太子の教え「和を以て貴しとなす」を胸に、職人の魂と技術が息づく本行寺の太子堂と資料館は、祈りと学びが共存する特別な空間です。技能の魅力にふれる場所として、ぜひ多くの方々にお立ち寄りいただければ幸いです。

RETURN TOP
0154-41-5329